飲食店がお酒をテイクアウト販売する申請書はこんなに簡単!コロナで売上が減っている飲食店は今すぐお酒を通販する申請書を出しに行きましょう

国税庁は4月9日に飲食店等に対して「期限付酒類小売業免許」を付与すると発表しました。

「期限付酒類小売業免許」が付与されると飲食店がテイクアウト用としてビールやワインを販売したり、料理と併せてインターネット等を使って出前販売をすることが可能になります。

出前販売時は配達時に身分証明証で20歳以上であることの確認とサインが必要であること、単純なお酒の通信販売や配達先が2都道府県以上になる場合は違法になってしまうなどグレーな部分がある制度ではありますが、実店舗でお酒を提供しているお店は今すぐに許可申請をするべき制度です。

申請書の書き方が難しそうだからと躊躇している人が多そうなので、まずは細かいことを抜きに申請書はものすごく簡単!ということを書きます。

現在申請から許可まで1週間から10日程度です。

期限付酒類小売業免許の書き方

酒類販売業免許申請書と販売業免許申請書次葉1と法人の場合は登記事項証明証、個人の場合は住民票の写し、3つの書類を税務署へ提出するだけです。

酒類販売業免許申請書
酒類販売業免許申請書記載例

販売業免許申請書次葉1
販売業免許申請書次葉1記載例

上記PDFは国税庁が示している申請書と申請書の記載例です。

大きなポイントが2つあります。「販売しようとする酒類の品目の範囲及び販売方法」部分に「既存の取引先から仕入れた酒類の通信販売を除く小売に限る」と記載しないとおそらく申請が通らないことです。

「既存の取引先から仕入れた酒類」との部分は今までお店で提供していたお酒とは別のお酒をこの機会に新たにテイクアウトなどで販売させることは許さないということです。

もう1つは「通信販売を除く小売に限る」との文言です。「酒類販売業免許」にはUber Eatsや出前に関する明確な規制文言はありません。

2つ以上の都道府県にまたがる酒類の通信販売を行う場合は「通信販売酒類小売業免許」が必要になります。

東京都にあるお店が出前で神奈川県にお酒を売る場合は「通信販売酒類小売業免許」が必要になります。東京都23区内にあるお店が東京都内である23区外にお酒の出前をする場合は「通信販売酒類小売業免許」は必要でなく、「酒類小売業免許」があれば出前販売が可能です。

通信販売を除く小売に限るとの文言

法的には規制されていませんが現在Uber Eatsでお酒の販売があまりされていないこと、あえてこの文言を記載例に掲げていることから税当局のテイクアウトは許すが出前はするな、という強い圧力が見え隠れしています。

今はこの圧力を受けて記載例通りに「小売に限る」と申請書に記載して申請をする事業者が大多数であり、しばらくは様子見をする状況になりそうです。

近隣の店舗が出前で酒類を食品と一緒に販売を始めたら乗るしかない状況であり、なし崩し的にお酒を扱っている飲食店はお酒の出前販売をしても問題のない状態になる可能性が極めて高いです。

どのような戦略を取るとしてもまずは申請が通らないとお酒をテイクアウト販売や出前で販売することができないので、まずは上記の記載例に従って申請をして許可を取るべきです。その後にリスクを取るかどうかはあなた次第、状況次第です。

2020年4月15日追記
期限付酒類小売業免許を取得した場合にUber Eatsでお酒を配達することが可能なのか、自店のサイトでお酒を出前販売をすることが可能なのかを深く掘り下げて調べました。

結論を先に書くとUber Eatsでも自店サイトであっても店舗がある都道府県内へのネット販売、出前販売は問題なく販売をすることができます。

Uber Eatsは同都道府県外の人に店を表示させない設定ができるので全く問題ありません。実際にUber Eatsから「期限付酒類小売業免許」を取得をすることでUber Eatsで酒類を販売することが可能であるというメールが加盟店に届いています。

Uber Eatsが良いと言えば絶対に大丈夫という話ではありませんが法令関係を確認した結果、私もUber Eatsは全く問題がないと解釈しています。

自店サイトの場合は他都道府県の人にも販売画面が表示されてしまい、注文が可能な状態になってしまいます。

他都道府県の客には販売しない旨をわかりやすく表示をしたとしても、他都道府県の人に販売画面が表示されたり、発注処理ができてしまうことが問題になる可能性があるのでグレーゾーンではありますが、調べた限りでは販売をすることは違法でありますが販売をしなくても違法になるという根拠法令はありませんでした。

大丈夫と書いた根拠を書きます。

期限付酒類小売業免許で可能なこと

期限付酒類小売業免許を取得をすることに関して書かれている主なことを書きます。
1 2つの都道府県以上の消費者を対象として販売してはいけない
2 既存の在庫をはじめ既存の取引先からの仕入れの販売に限り可能

2つの都道府県以上の消費者を対象として販売してはいけない

これは期限付酒類小売業免許に対して書かれている文言ではなく、通信販売酒類小売業免許を取得することにより通信販売が可能になるとの文言から引用されています。

通信販売酒類小売業免許を取得することで可能になる通信販売とは、2都道府県以上の地域の消費者に酒類を販売することができると書かれています。

このことから通信販売酒類小売業免許を取得していない場合は自店と同一都道府県内の消費者にしか酒類を販売することができない、このことは逆に一般酒類小売業免許は同一都道府県内の消費者に対しては酒類を出前販売をしても良いという解釈が通説となっています。

一般酒類小売業免許の取得業者は自店と同一都道府県内であれば出前で酒類の販売をすることができることは間違いのない事実であり、同一都道府県内の人にしか店舗を表示させないことが可能なUber Eatsでは全く問題なく酒類を販売することができます。

期限付酒類小売業免許は一般酒類小売業免許の期限限定免許であり、期間が6ヶ月であること以外は全く同じことを許可される免許です。

なので、期限付酒類小売業免許を取得すればUber Eatsで全く問題なく酒類を販売をすることができます。

自店のサイトで出前販売をする場合は他都道府県の消費者に販売をしなければ問題ありませんが、グレーではあります。しかし期限付酒類小売業免許を取得して新たに通販自店サイトを構築して酒類を売るお店はほとんどなく、現時点ではUber Eats1択の状況なのでここを深く掘り下げる必要はないと思っています。

元から自店サイトで出前販売を行っている飲食店は他都道府県には販売しない旨をわかりやすく表記をすれば問題ありません。

この部分で異論がある方は私に直接苦情連絡をください。

既存の在庫をはじめ既存の取引先からの仕入れの販売に限り可能

これは今まで自店で提供していたお酒以外の酒類を出前販売してはいけないということです。

自店ではビールと焼酎しか提供していなかったのに期限付酒類小売業免許をして出前販売をするために日本酒やワインを販売することは禁止するということです。

これは規制ではありますがお店が売れるかどうかわからない新しいお酒でのチャレンジというリスクを負わないためにも良い規制だと思っています。

Uber Eatsでお酒が売れる可能性

現在Uber Eatsでお酒を販売しているお店は少ないです。高値になってしまう影響であまり売れないからという理由もありますが、今までのUber Eatsは牛丼、ファーストフード、ファミレスなどご飯もセットの満腹感を得ることを目的としたお店が中心でした。

満腹感を得ることが主である客が丼物や定食以外にお酒を発注する可能性は非常に低いです。そのクラスタはカクヤスにお酒を発注するはずです。質より量を選択するクラスタなのですから当たり前のことです。

現在、そして今後は非常事態宣言の影響で飲食店では酒類のラストオーダーは19時まで、飲食店の営業は20時までとの要請に応えざるを得ない状況です。風評や他店から嫌がらせなどのリスクを考えると従うしかない状況です。

飲食店にとって地獄のような状態でありますが、実店舗で美味しい料理とお酒を楽しみたいと思っていた人にとっても非常に辛い状況です。

このような需要とUber Eatsは非常に相性が良いと思います。Uber Eatsを使う人は手数料を気にしない人達であり、比較的お金に余裕があるクラスタです。

無料牛丼に並ぶ人はUber Eatsの手数料を払うという思考はありませんが、Uber Eatsを常用している人は美味しい料理とお酒を安全に自宅で楽しめることを心待ちにしている人が多いと思います。私もご飯無しの美味しい料理とお酒を販売してくれるUber Eatsのお店をずっと待っています。

Uber Eatsでどの程度美味しい料理とお酒のお店が売れるのか、繁盛するのかはわかりません。今までそのようなお店はなく、今のように美味しい料理とお酒を楽しむことができる飲食店が20時に閉店してしまう事態になったことはありません。

新型コロナウイルスの影響が収束するまで何もせず怯えながら待つよりもリスクの少ないUber Eatsでの美味しい料理と美味しいお酒の提供にチャレンジすべきだと思います。

新しいお酒を売ることはできないとの規制があるので、今お店で扱っているお酒での勝負になります。新しいお酒を売ることができないことはデメリットではありますが、新たなリスを負わずに済むというメリットもあります。Uber Eatsで売れなくてもデメリットは0なのです。

期限付酒類小売業免許を取得すればUber Eatsで酒類の販売をすることが可能になり、自店サイトでの酒類販売もグレー部分は残るながらも問題がなさそうとの確信を得られたので追記しました。

自店で食事を提供する場合と比べて宅配は料理が出来上がってから食べてもらうまでの時間が長くなることから、今まで以上に食中毒に注意する必要があります。

慣れているからこそ、油断から食中毒を発生させてしまうリスクが大きいです。

以前書いた食中毒に関する私のブログへのリンクを張っておきます。
食中毒の原因は油断と怠慢の繰り返し!の話

今後も新しい情報、特に実際の経験量が増した時に情報を発信していきます。

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